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平成27年度税制改正法案のポイント

自由民主党、公明党の両党において、平成27年度税制改正大綱が平成26年12月30日に公表された。 この大綱に基づいて法案化された「所得税法等の一部を改正する法律案」が平成27年2月17日の 閣議を経て、第189回通常国会に提出され審議中となっている。同法案には、消費税率等10%引上げを 1年半延期することが盛り込まれていて、法案の成立により平成29年4月1日の引上げが確定する。

主要改正項目の概要は以下の通り。

・個人所得課税

  1. ジュニアNISAの創設等
    a. 制度利用可能者 0歳〜19歳の居住者等
    b. 年間投資上限額 80万円(現行NISA 平成28年分以後100万円から120万に拡大)
    c. 非課税対象 上場株式、公募株式投資信託等(現行NISAに準ずる)
    d. 投資可能期間 平成28年4月から平成35年12月末まで
    e. 非課税期間 投資した年から最長5年間
    f. 運用管理 原則として親権者等が未成年者の為に代理運用する
  2. ふるさと納税の拡充
    1. 特例控除額の控除限度額を個人住民税所得割額の2割(現行1割)に引上げる。

      この改正は平成28年度分以後の個人住民税について適用する。

    2. 確定申告を必要とする現在の申告手続について、当分の間の措置として、確定申告不要な給与所得者等が 寄付を行う場合はワンストップで控除を受けられる制度を創設する。但し、寄付者が確定申告を行った場合又は 5団体を超える地方自治体に対して寄付を行った場合はこの適用はない。

      この改正は平成27年4月1日以後に行われる寄付について適用する。

・資産課税

  1. 結婚、子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設

    20歳以上50歳未満の個人の結婚、子育て資金の支払に充てる為に、その直系尊属が金銭等を拠出し 金融機関等に信託等をした場合には、その信託受益権の価額等のうち受贈者1人につき1.000万円 (結婚費用は300万円が限度)までの金額については、平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に 拠出されるものに限り、贈与税を課さない。

    (注1)贈与者が死亡した場合には、死亡時の残高を相続財産に加算する。

    (注2)受贈者が50歳に達する日に口座は終了し、残高があれば贈与税を課税する。

  2. 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の創設

    国外転出する居住者が、所得税法に規定する有価証券等の価額等で一定の定める金額の合計額を 1億円以上有する場合には、国外転出の時に、有価証券等の譲渡等の決済をしたものと見なして 事業所得、譲渡所得、雑所得の金額を計算する。

    この改正は平成27年7月1日以後に国外転出する場合又は同日以後の贈与、相続もしくは遺贈について 適用する。

    (参考)現状、株式等の含み益は、株式等を売却した者の居住国に課税権がある。これを利用し、巨額の含み益を有する 株式を保有したまま、キャピタルゲイン非課税国であるシンガポールや香港などに出国し、その後に売却する事による課税逃れを 防止するための改正といえる。

・法人課税

  1. 法人税率の引下げ

    法人税の税率を23.9%(現行25.5%)に引き下げ、平成27年4月1日以後に開始する事業年度について適用する。 また、中小法人の軽減税率の特例の適用期限は2年延長する。

  2. 欠損金の繰越控除制度の見直し
    1. 大法人(資本金等が1億円超)の控除限度額(現行、所得の80%)を平成27年度以降は所得の65%、平成29年度以降は 所得の50%とする。
    2. 欠損金の繰越期間(現行9年)を控除限度額が所得の50%となる平成29年度以降に生じた欠損金から10年に延長し、 帳簿書類の保存期間等も10年に延長する。

      (注1)中小法人等(資本金等が1億円以下)については、現行の控除限度額を存置し、繰越期間や帳簿書類の保存期間等は 上記bの改正を適用する。

  3. その他(以下は、項目のみ列挙)
    • 外形標準課税の拡大
    • 受取配当等の益金不算入制度の見直し
    • 研究開発税制の拡充
    • 所得拡大促進税制の要件緩和(所得税についても同様)

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